夫婦関係改善ロードマップについて。
今週はポッドキャストの深堀記事が配信できず申し訳ありません。本業の部署替えがあり多忙になりすぎてしまい、執筆の時間が取れませんでした。
代わりに、何となく見えてきた夫婦関係改善ロードマップをお送りしますね。
夫婦関係が悪化する原因は色々とありますが、なかなかうまく解決ができないという場合は夫婦のどちらかもしくは両方に愛着障害が発生している可能性が高いです。実際僕がご相談を受けた中で、かなり修復までの時間を要するなと思うケースは愛着障害が絡んでることが多かったです。
回避型愛着障害、不安型愛着障害、いずれかの障害を夫婦のどちらかが負っていると、思いやりがあるコミュニケーションを取ることがとても難しくなります。親密になることを過度に恐れたり、本当は愛を求めているのもかかわらず拒絶をしてしまったり、相手に依存をしすぎてしまったり、そんな問題が発生するのです。
「そんな問題自分には関係がないよ」と思う方もいるかもしれません。確かにここまで大きな愛着障害を誰もが負っているわけではありません。ですが、レベルは低いかもしれませんがちょっとした愛着障害がある人は意外と多いものです。人口の6割から7割は愛着障害を抱えていると言われていますから。
相手に対して素直になれない。相手の話を素直に聞くことができない。相手が自己開示をしてくれない。相手がこちらの話を受け止めてくれない。あなたにもそんな経験があるんじゃないでしょうか?こんな発信活動をしている僕にだってそんな経験があります。
ではどうすればいいのか?そのヒントがアタッチメントとコンパッションです。
まず夫婦がお互いの愛着スタイルを理解すること、そして次にそれぞれの愛着スタイルに合わせたコミュニケーションをとることが重要です。相手が素直な気持ちをさらけ出すための安心感を与えるんです。アタッチメント理論における「安全基地」に自分がなるんです。
夫婦の溝は夫婦間のアタッチメント形成がうまくいってないことが原因なんじゃないかと僕は思っています。だからこそ夫婦のアタッチメントを修復することが、夫婦関係改善の大きな前提条件となるのです。
不安表現、応答、探索。アタッチメントスリーサイクルモデルにおける、これら3つのアクションを夫婦がグルグルと回すことによって、2人はお互いに対して親密な愛着を構築できるようになります。
ですが、回避型愛着スタイルや不安が退却スタイルを持つ人にとって、パートナーに対して不安表現をすることや応答をすることはとても勇気を必要とします。相手から拒絶されるかもしれない、自分の心を開くのがとてつもなく怖い。僕だってつまり自己開示をする時はいつだって涙が出そうになります。いや今までだって何でも涙を流し続けてきました。自分の最も大切な存在である妻に対してさえ、心を開くことは大きな怖さを伴うものなのです。
ではその時に何が必要になるのか?それがコンパッションです。
コンパッションは思いやりや慈悲などと訳されたことが多いですが、実はその言葉だけではコンパッションの真髄を理解することはできません。コンパッションとは目の前の人の苦しみに気がつくこと、そして苦しみを取り除こうと行動することを指しており、これはテクニックではなく心の持ちようであり、マインドセットとも呼べるものかもしれません。
ですので、これをやればいいとか、この本を読めばいいいうわけではなく、自転車の乗り方や泳ぎ方のように、体を通じて学んでいくスキルのようなものです。僕もコンパッションを学んでいる最中なのでうまく言うことができませんが、学ぶ中で感じたことはこれは体感として学ばないと、真に理解することは難しいなということです。
ですが、コンパッションを学ぶことによってパートナーに対して思いやりが持ちやすくなることは確かだなと、僕自身感じています。実際、僕も8週間のコンパッショネイトマインドトレーニングを受けることで妻に対して今までよりも思いやりや慈悲の心を持ちやすくなったなと感じています。また、自分自身に対しても思いやりを持ちやすくなり、辛いことがあった時などに自分を励ます習慣ができました。
これによって、夫婦関係や仕事などにおいて辛いことがあった時には、以前ほど辛い感情を感じることがなく、「あ、今自分はこんなことを感じてるんだな」と客観的に自分の心を見つめることができ、困難に対して前向きに対処することがやりやすくなったとも感じています。コンパッションを学ぶことによって、マインドフルネスも同時に学ぶことができたようです。
簡単にまとめるとどんな夫婦でも愛着スタイルに問題を抱えていてその問題指に深くコミュニケーションが取りづらくなっている。その問題解決させるためにはパートナーの愛着スタイルに合わせたコミュニケーションを取る必要があり、アイテム3サイクルモデルにおける不安表現、応答、探索をぐるぐる回す必要がある。
だが愛着スタイルに障害がある場合は、パートナーに対して不安表現をすることや応答をすることはとても難しくなる。そこで必要になるのがコンパッション。自分やパートナーに対して思いやりの心を持つことによって、相手に対してお互いに不安表現をし、応答をすることがより簡単になる。そのため、夫婦は愛着スリーサイクルモデルの不安表現と応答を抵抗なく行えるようになりm夫婦間の愛着が順調に構築されていくのです。
ただそれでもうまくいかない場合は、カップルセラピーを受けることをおすすめします。どんなセラピーでもいいというわけではなく、夫婦の修復率を7割を誇るエモーショナルフォーカストセラピーをおすすめします。エモーションフォーカストセラピー、通称 EFTはアタッチメント理論を元にしており、イギリスの臨床心理士スー・ジョンソンによって開発されました。EFT は夫婦間のアタッチメントを修復することに主眼を置いています。
EFT はイギリス、カナダ、アメリカなど英語の中心に広まっており、残念ながら語学の壁がある日本ではまだメジャーな心理療法とは言えない状況です。ただ、海外で心理学を学んだ方たちの中にはこの EFT をカップル セラピーの中で使われている方も存在します。僕の Podcast に何度か出演いただいている上遠文恵さんもそうです。
夫婦間のアタッチメント再構築を自分たちで行うことが難しい場合、EFT を行うことができる心理士のカップルセラピーを受けることが大きな助けになると僕は感じています。そして、お互いに対する信頼感を構築することができたら、セラピー外の家庭の中で自分たちの親密感を向上させることがとてもやりやすくなるのです。実際、EFTカップルセラピーを受けて劇的に改善されたカップルを僕も知っています。
そんなところが、現在僕は考えている夫婦関係改善のロードマップです。Podcast とニュースレターではその詳細について、より詳しくこれからも発信していこうと思っていますので、今後もお付き合いいただけると幸いです。
では皆様、良い週末を!
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