あなたの自己開示が誰かの心を開き、言葉を生み、彼らのカップルリレーションシップをゆるやかに変えていく。
4年間にわたる夫の不倫から、関係性を回復させるためにポンクさんがおこなったこと。
それは、不倫相手と直接話すことで不倫の発生原因を知ったこと、辛い不倫の記憶を上書きしていったこと、空気のように軽んじていたお互いの存在を大切なものとして扱うようになったことだった。
それだけで心の傷が癒えたわけではなく、今でもフラッシュバックに悩ませる時もあるという。
不倫の傷は、なぜこんなにも身を引き裂かれそうな痛みを伴うのか?
それは目の前のパートナーが自分にとって大切な存在であると気がつかされたからだろう。
不倫という出来事がなくとも気がつけることができればそれに越したことはないが、付き合いが数十年に及び、同居人のような感覚になってしまうとそれは難しい。
第三者の介入があって初めて、目の前の人の価値に気がつかされる。
今回はポンクさんの放送回にいただいた一通のお便りを紹介します。(つかささん、お便りありがとうございます!)
不倫からの立ち直り方は人それぞれ。その人の性格やパートナーとの関係性のよっていくつにも分かれる。
多くのパターンを知っておくことは、自分の夫婦関係作りにも役立つはず。
今回の放送回はこちら。
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最近知って、6/24配信の回から拝聴しています。
#2-8と#2-9について反応せずにいられずお便りします。
私も「され妻」歴4年くらい、のちに修復して結婚生活は24年目です。
ポンクさんのように相手に会ってなお冷静でいることは、当時の私には無理でしたので、相手に会ったことも話したこともありません。
約20年前の話になります。
され妻の気持ちを検索すると
「私はこんなに好きなのにどうしてあなたは…」
というものが出てくることがありますが、発覚当日の私は違います。
「てめー舐めてんのかよ。バカにしやがって、ふざけんな」です。
おっと、はしたない。でもこれが偽らざる気持ちです。
翌日以降、
「どんなに放っておいても大丈夫とタカをくくっていたのでは?むしろ舐めてたのは私?」
「あんなに隙だらけなのに4年も気づかない私ってだいぶオメデタイ。自分に呆れる」
などと冷静になります。
私が結婚する際、上司は離婚して不倫相手と結婚する、という厳しい現実を背中で見せてくれていました。
ある飲み会の席で、離婚理由を
「だって(妻は)言い訳させてくれなかったんだもん」
と語ったのが甦り、ならば言い訳させてあげよう、と「今回は離婚しない」と自分の中で方針を立てました。
関係修復の方法は2つ。
1つ目は、夫婦カウンセリングを受けること。
男女ふたりのカウンセラーに同席してもらい、4人でテーブルを囲みました。
私が思ったことをぜんぶ誰かに聞いてほしいとの発想からでしたが、結果的に正解でした。
夫は貝になるタイプなのに、私がまくし立ててしまって、暖簾に腕押し。ひとり相撲もいいところで勝手に疲労していました。
なのでカウンセラーがうまくとりなしてくれて前向きな話ができるようになりました。
もう1つ、「不倫のことはカウンセリング以外で一切話題にしない」です。
偶然手に取った瀬戸内寂聴さんの著書の一節に
「不倫した夫と一緒にすごすと決めたなら、
そのことは話題にするな」
という趣旨の言葉があり、それを実行しています。
カウンセリングでは、夫は針の筵だったはずです。
それでも行きたくないとは言わず、私のタイミングでカウンセリングを終わりにするまでちゃんと向き合った、その事実が原動力です。
許す許さないの二択でいえば、許さない、です。
でもあのときの気持ちは、鍵がかかる引き出しに入れてしまってある状態です。
このお便りのように機会があればいつでも取り出せるけど、めったに開けない引き出し。
無理にふたをしているわけでなく、忘れてるわけでもなく、ときどき取り出してみるけどまたしまって鍵を掛ける、そんな感じです。
あのゴタゴタで学んだことは、
夫婦は婚姻届をだしたら自動的に「なる」ものではなく二人で協力して「作り上げる」ものだ。
ということです。
ポンクさんと似たところと、真逆のところがあって大変興味深く拝聴しました。
ポンクさんとお茶したいくらいです(笑)
初めてのお便りなのに長文乱文失礼いたしました。
読んでいただいてありがとうございました。
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不倫に限らずだけど、夫婦の葛藤が強くなると二人だけでは話し合いがまったく成立しなくなることがある。
不倫ならば、された側はフラッシュパックに悩まされ、した側は過去ではなく前を向こうという。
離婚ならば、片方は離婚したいといい、片方はしたくないという。
話し合いは永遠に平行線で結論はまったく見えない。
そんな時は第三者の存在が助けになる。カップルセラピーや他者の経験など。
日本では体系だったカップルセラピー技術が確立されていないけど、エモーショナリー・フォーカスト・セラピーなど理論として確立されたカップルセラピーをおこなうセラピストは日本にも存在する。
そういった方に間に入ってもらうことで、よどんでいた空気がスムーズに流れ出す。(もちろん、必ずうまくいくわけじゃないけど。だけど、二人で悶々とするよりよっぽどいい)
(カップセラピストの方にもポッドキャストインタビューさせていただいたので、1,2ヶ月後くらいに配信します)
カウンセリングだけではなく、他者の経験も役に立つ。
不倫の体験って、人には話せないですよね?
話せないから抜け出し方もわからなくてネットの海をさまよい、怨嗟に満ちたXに飲み込まれたりする。
話せないから一人で辛さを抱え込み、その苦しみの重みに耐えられなくなるまで孤立し続ける。
だけど、不倫から関係性を立て直した方たちの体験談をいくつも聴くことができたらどうだろう?
自分に照らし合わせて参考になる話がきっとあるはずだ。100%同じことはできないにしても、苦しみから抜け出すヒントはきっとあるはず。
もしよろしければ、このレターを読んでいるあなたに不倫体験があるならば、コメント欄やお便りフォームにご連絡いただけると嬉しい。
あなたの体験が苦しみの海を彷徨う誰かの灯台となるはずだ。
お便りフォーム
ぼくが夫婦関係学ラジオシーズン2をインタビュー中心にしたのも同じ理由からだ。
夫婦の話はあまりにも隠されすぎている。なぜなら、ぼくら人間というのは「恥」の感情に翻弄されやすい生き物だから。
こんなことをするなんて、自分はなんてダメなヤツなんだ。
夫に不倫をされるなんて、私にはよっぽど魅力がないんだ。
妻に不倫されるなんて、自分は男として全然ダメなんだ。
なんて、自分は、ダメなヤツなんだろう。
ぼくらはそんな「恥」の感情にコントロールされやすい。
夫婦の話、特に性にまつわる話は「恥」の感情を喚起しやすく、外で話そうなんてまったく思えない。
ネットや書籍の情報はあるが、サンプル数は少なく、著者の思考が色濃く反映されている。
厚い暗いベールに包まれた「夫婦関係」の内側ではなにが起こっているのか?
そこをあきらかにすることで、ぼくら人間はカップルリレーションシップをもっと軽やかに、もっとしなやかに、もっと慈愛的に、そして、もっと強くさせられるのだと思う。
シーズン1はぼくの自己開示の物語だった。シーズン2はあなたの番だ。
あなたの自己開示が誰かの心を開き、素直にさせ、言葉を生み出す。その言葉が彼らのカップルリレーションシップをゆるやかに変えていく。
あなたからの出演依頼を待っています。ご感想フォームからご連絡ください。
今週はここまで。来週の放送の選別がまったく終わってないのですが、おそらく離婚経験をされた二人の男性へのインタビューをお送りします。
バツイチな二人の日常というポッドキャストを配信されているので、ぜひそちらもお聴きください。
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