専業主婦の罪悪感はどこからやってくる?
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sugamariさんは、自分が専業主婦なのに夫が1年間も育休を取ったことに罪悪感を感じていたという。
「わたしはほんとにダメだなあ」
sugamariさんの過去のお話を聞いているとそんなセリフがよく出てくる。
この罪悪感はいったいどこからやってくるのだろう?
共働きなら夫が育休を取るのもわかるけど、自分はずっと家にいる専業主婦だ。ずっと家にいるなら子どもの面倒は自分で見れるはずだ。共働きよりも楽な立場にいるのだから。
そんな風に自己分析の基準が、他者との比較になっていることが原因かも知れない。
共働きの妻=忙しい、大変
専業主婦の自分=時間はある、大変じゃない(はず)
(はず)と書いたのは、実際にはsugamariさんはお子さんの体調課題などで心身ともに疲弊した日々を送っていたと推測されるからだ。詳しくはポッドキャストを聴いてほしい。
自分の感覚では大変だったのに、専業主婦という社会的な立場から自分の状況を「大変ではない(はず)」とジャッジしてしまったのかもしれない。
だけど、どんな人であれ価値基準は自分が持っている。
自分が大変であると感じるならば、それは大変なのであり、助けてもらうことになんの罪悪感を感じる必要もないんだ。
Xやインスタなどをのぞくと他人のキラキラした生活が見えたり、ドロドロの悪意まみれのグチも見えてしまう。
つい、他者と自分を比べてしまう。
いったいなぜなのか?
それには1954年に心理学者のレオン・フェスティンガーが提唱した「社会的比較理論」が役に立つ。
社会的比較理論では、他者との比較の理由を「自分の能力や意見を評価するため」としている。
では、なぜ人は自分の能力や意見を評価しようとするのだろうか?
一つは自己改善のため。他者の成功や能力を基準にして、自分を改善しようとする動機が生まれるのだ。
自分の何かが「足りない」と感じる人ほどこの欲求は強くなるだろう。
二つ目は自尊心の維持のため。他者との比較のなかで自分の価値や自尊心を相対的に確認することができる。
なかには自分よりも劣っていると感じる他者と比較することで、自尊心を高めるケースもあるだろう。
最後は社会的基準の確認のため。他者と比較することでどういった行動や価値観が社会的に受け入れられているのかを知ることができる。
そして、社会に受け入れてもらえる「適合性」を見つけ、自分の行動をそこに合わせて調整していく。
もし、「適合性」が「世間的にはヒマであるはずの専業主婦は夫の助けを借りずに育児ができるはず」というものであったなら、無意識にそこに自分の価値観を合わせようとしてしまうだろう。
これは社会的な生き物である人間だから、しかたないとも言えると思う。
「そう感じてしまうよね。そう思ってしまうのもしかたないよね。だって人間だもの」
みたいな感じで、軽く考えておけばいいんじゃないだろうか?
その上で、「でも、自分は大変だからまわりに助けてもらおう」と、自分に優しさを向けられたらさらにいいと思う。
自分の罪悪感がどこからやってくるかを知れば、もっと自分に慈しみを向けられる。そんな気がしています。
大企業のサラリーマンがサラリーマンであり続ける理由
話は変わりますが、最近は仕事がめちゃくちゃ忙しくて、特にお盆前の今日は気が狂いそうになるほどでした。
ぼくはもう会社を辞める決断をしてるから、「期限付きの仕事」と割り切ってるけど、そうじゃない人を見ていてあることに気がついたんです。
仕事をやめたいのにやめられない。
やりたくないのにやらないといけない。
やらないといけないからやっている。
そんな人が多いなって。
嫌なら転職するなり独立すればいいのにって思ってましたが、彼らは謎の暗示にかかっているようなのです。
「ここにしか自分の居場所はない」
そんな風に。
なぜなのか?
それは、会社で雇われている限り、ストックできる個人資産がないからです。
もちろん、スキルを積んだり社内や業界の信用を積める人はいるでしょう。
だけど、社外に出た時に「お前はナニモノなのか?」という資産が、よっぽど名が知られていない限り一つもないんです。
ぼくが独立しようと思えたのは、約5年間書き続けてきた記事や、4年間続けてきたポッドキャストがあるからです。
ぼくの知り合いで独立した人は小さな会社で働いていた人が多いです。逆に大企業で働いている人はいつまで経ってもグチを言い続けながら働いてます。
なぜ、小さな会社の人は独立しやすいのか?その理由は蓄積できる経験量の差かなと。
ぼくが昔働いていた小さな広告会社は、企画、デザイン、営業、生産管理、売上金回収まで、すべてを一人の人間がやっていました。当然徹夜続きのブラック企業です。
だけど、経験できる仕事の幅がめちゃくちゃ広いんですよね。だから、「あ、なんか独立できるかも」という気持ちになるんです。
逆に大企業では、企画だけ、営業だけ、生産管理だけなど業務が分断されています。その道のスペシャリストにはなれるでしょうが、会社経営のイメージがまったくつかめないので独立できる気にはなれません。
実際、僕が働いた大企業は離職率が低く、独立はおろか転職する人もほとんどいません。
福利厚生も充実しており、自社株も安く買え、まるで天国のようですが、その甘い飴を舐めていると残酷な事実に向き合わざるを得なくなります。
「自分はどこにも行けない」
という事実に。
50代で役職定年となり、65歳で定年となる。
その時、自分に残っているものはなんだろうか?
自分の時間を会社に売り続け、残されたのはストレスで禿げた頭とアルコールで壊された肝臓だけ。
そんな恐怖を感じているのはぼくだけじゃないはず。だけど、多くの人はそんな不都合な事実から目を背けます。
「自分はどこにも行けない」と感じているにも関わらず。
暗い顔をした同僚を見ていたらそんなことを考えました。
電車でイラつくおっさんが絶滅しない理由
この話に通じる話ですが、電車でイラついているおじさんっていますよね?
不機嫌そうに肩をぶつけてきたり、舌打ちしたり、あきらかに苛立っています。
以前は(なんだよコイツ!)と思ってたんですが、仕事が忙しくなってきてちょっと気持ちがわかるようになってきたんです。
大切な時間を切り売りする毎日。仕事以外に使える時間は一切ない。家族との時間もプライベートもない。土曜は疲れ切っており、日曜は月曜からの仕事に憂鬱になる。気分が晴れる日なんて1日もない。
そんな日々を過ごしていると、イヤなヤツになっていくんですよ。
人との距離が近い電車のなかはストレスがさらに溜まるので、イライラするようになる。
20時や21時の電車はそんなオッサンばかりです。ひどく疲れている時は自分もそうなりそうだなって怖くなります。
電車でイラつくおっさんが消えない理由の一つは、ままならないおのれの人生への苛立ちなのかもしれません。
◇
来週は4年間にわたる夫の不倫が発覚し、そこから奇跡的に夫婦関係を改善された方へのインタビューをお送りします。
実はまだ編集が終わっていなくて、日曜の夜に終わらせる予定です……。
個人的にめちゃくちゃ好きなインタビューなので、ぜひ聴いてもらえると嬉しいです!
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では、素敵なお盆休みをお過ごしください!
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